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損する側も得する側も不公平(-_-;)、 場当たり的な配偶者手当の改悪に断固反対しましょう!配偶者手当の改悪案について、生協は配偶者手当の削減を4000円とし、育児短時間勤務については、従来からの対象である未就学児の時間の賃金及び一時金を50%の支給(これまでは1時間の場合は90%、2時間の場合は80%)とする修正案を提示し、2/5理事会で報告承認を行いました。今回の就業規則の変更は、総人件費を増やさないで初任給を引き上げたい、という動機以外は何もない場当たり的でご都合主義的なものです。生協は「多様化する家族」について、団交では「生涯未婚の人、離婚の経験のある人、一人親で家族責任を果たしている人」などを例示していますが、専業主婦(夫)ではない子育て中の働いている人に対する対応と言うならば、配偶者手当の削減分を子どもに対する手当の充実に向けて分配するべきであり、子育て中の共働き夫婦にとって必要性の高い育児短時間勤務での賃金カット分を大きくする改悪は、「多様化する家族のあり方」への対応という理由とは明らかに矛盾します。
《生協の提案は、損する側と得する側を二極分化させることになります》
生協は、配偶者手当の削減分を若手の賃金引き上げに使うと言っています。この主張の妥当性を検証するため、私たち組合は年代別の配偶者手当の支給実績についての資料を生協に求めました。それによると、配偶者手当の受給者は20代で1人、30代で14人、40代で21人、50代、60歳で22人となっています。このように、配偶者手当は20代の「若手」はほとんど受給しておらず、30代から急増することがわかります。つまり、今回の改悪案では、損する側といえる配偶者手当受給者(30代以降が主)と、得する側といえる「若手」(主に20代)とが年代的にはほとんど重なっていないことが分かります。要するに、損する側は一方的に奪われ、得する側は一方的に得をするという構図です。賃金総額は変わらないので労働条件の不利益変更ではないと生協は言っていますが、労働条件は労働者一人ひとりの権利であるということが基本であり、一方的に不利益を受ける側にしてみれば、たまったものではありません。
《得する側も不公平な分配がされています》
では、利益を受ける若手の側への分配は公平なものといえるでしょうか?生協の改悪案の最大の目的は初任給の引き上げにありますが、昇給ピッチを縮小しているため、以前と同じ評価を受けても昇給額は低く押さえられ、引き上げ差額は最終的にはゼロになります。仮に大卒で採用された新入職員が毎年100%の評価を受け、職群転換をしなかった場合、7年間で中核実務1等級から3等級を通過することになり、その間引き上げの利益を受けることになります。この例に従うと、今回の改定により、今年採用される大卒新入職員は、以前に比べ7年間で75万5625円利益を得ますが、同じ例で7年次だった職員は1年間のみ2万150円しか利益を得られません。利益差は実に37.5倍になります。
《育児短時間勤務の改悪でカットされた賃金はどこへ行くの?》
育児短時間勤務によりカットされる賃金は、今までは、1時間短縮の場合、時給の10%、2時間短縮の場合、時給の20%まででしたが、生協の改定案で各々時給の50%が削減すると主張しています。これにより賃金カットは働く側にとってどれだけの不利益になるのでしょか?
仮に時給2000円の人を例にすると、子どもが0歳から6歳まで育児短時間勤務をしていた場合、今までは7年間の賃金カットは1時間短縮の場合、34万4400円、2時間短縮の場合、137万77600円でした。それが50%カットでは、1時間短縮では172万2200円となり、2時間短縮では344万4400円となります。つまり、7年間で、1時間短縮の場合、137万7600円、2時間短縮の場合206万6400円今までよりカットされる金額が増えることになります。お金のかかる子育ての時期に、100万、200万円単位の収入の減少は痛いところです。働く側にとっての収入の減少は、生協にとっては費用の削減となりますが、増加したカット分の賃金の行方を生協は全く明示していません。結局、「多様化する家族のあり方等に対応」と言いながら、人件費抑制の意図が見え隠れしています。