私たち組合は1988年10月に結成しました。結成後、生協と支部の間で1988年12月10日に「確認書」(甲第1号証)が締結され、その後すぐの1989年の組合員の配転に関しては、個々の組合員ではなく、組合に対して内示案が提示され、それを踏まえて協議を行うというかたちで、確認書に沿った事前協議が行われました。

しかし、生協は、翌1990年、組合に事前の協議を申し入れることなく、「打診」と称して所属長から個々の組合員に異動案を直接通知し、その後、支部との団体交渉を一方的に打ち切って組合員2名の配転を強行しました。支部は、これを未払い残業代を請求する等の正当な組合活動を行ったことを理由とする違法な配転と考え、その撤回を求めて、神奈川県地方労働委員会に不当労働行為救済の申し立てを行いました(神労委平成2年(不)第9号事件)。同事件は、1991年に原職への配転を新たに発令するという実質的な配転撤回と、事前協議手続に則った新たな配転の実施、解決金を支払う等の労使協定に至り、和解解決しています。

和解条項の中で、労使は「今後の組合員に対する配転問題に関し、協定の締結に向けて協議を継続する」こと、「職場における無用な紛争を回避し、健全な労使関係を維持するために互いに努力する」との協定書が交わされました。

この1990年度の人事異動をめぐる労使紛争の中で、私たち支部は、人事異動という、就労場所や場合によっては職種変更を伴う大きな労働条件の変更について、使用者が直接組合員に伝え、その場で同意を取り付けようとするのではなく、事前協議条項に基づき、組合に事前に通知し、事前協議を行うべきであることを主張してきました。そして、最終的な和解協定において、今後の紛争回避のためのルールづくりの必要性が労使双方で確認され、それ以降、人事異動における生協から組合への事前通知、事前協議の手続きが確立しました。そして、生協による組合への事前の配転内容の通知は、今回の件が生じるまでは、変わらず行われてきたのです。

和解条項にある「協定の締結」については、私たち組合としては同意条項を求め続けたのに対し、生協が応じなかったことで具現化はしませんでしたが、その後の春闘回答においても、生協は、今回の事件が起きる2013年度までは、「人事異動については、従来の方法を継続したい」という回答を何年にもわたって行ってきました。

こうした経過から、組合と生協との間で行われてきた事前通知・事前協議は、1990年の労使紛争の結果を踏まえ、労使間の具体的な協議を経て合意され、2014年3月に生協が突如、事前協議条項破りを通告してくるまでは、継続して行われてきたことは明らかです。

これを併存組合とのやり方に合わせるという理由で一方的に破棄しようとするのは、労働組合の団結権の否認、組合活動の弱体化を意図したものと考えざるを得ません。さらに生協は、準備書面(4)において、今回の事前協議条項破りの根拠を、組合が「他方の組合との組合間差別は行わないこと」を要求したからだ、と強弁しています。これは、労働組合の存在意義、要求を、悪意をもって捻じ曲げようとする態度であり、「不当労働行為」の意志を自ら露にしているものに他なりません。

今回、生協はかつての「打診」のように、本人の意向確認さえ行おうとせず、「本人回答を求め」ない、命令として組合員に内示の内容を通知することに固執しています。通知を受けた組合員が、労働組合を通じて回答したい、と応答したことに対し、「経営権の侵害」、「業務執行権の妨害」という強い口調で、労働組合の正当な活動を威嚇的に非難するまでの事態に至っています。(甲第26号証)

労働委員会各委員の皆さまには、正常な労使関係を回復できますよう、ご助力頂きますようお願いいたします。