神奈川件労働委員会で、最大4人の上司が組合員1人を会議室に呼び出して行われる「圧迫面接」について意見陳述を行いました。
 成果主義的な人事制度であるMBO人事制度については、公共益の追求であるはずの社会運動が、給料を上げたいとか、出世したいとかいう私益を動機付けにして行われていくことには、違和感を覚えるため、私たちの組合は反対をしています。

**********************************************************************************

  私たちの労働組合は、成果主義的な賃金制度であるMBO人事制度について、導入当初から今日まで一貫して反対しております。反対している理由は、主に二つあります。まず一つは、それまでの人事制度に比べて賃金の昇給が著しく押さえられた設計となっており、労働条件の不利益変更であるということがあります。

  そして、もう一つの理由として、協同組合には、「競争ではなく協同」という理念があります。しかし、競争原理を原動力とする成果主義的な人事制度は、その理念と相反する制度であり、職員同士を競争に駆り立てる制度です。それは協同組合の「協同」の理念を忘却させ、協同組合らしさや、協同組合の存在意義を失わせるものとなる、ということが、私たちが反対している、もう一つの理由であります。

  今日生活クラブ生協では、さらに昇給を押さえるため、成績による昇給額の総額が、あらかじめ生協が予算とした昇給原資を超えないようにする「昇給原資設定方式」を強行し、「競争ではなく協同」の理念とは裏腹に、競争を、より苛烈にさせて、「協同」は建て前となり、「競争」の本音が横行する「ご都合主義」の様相を際だたせて、呈することとなっています。

  私たちの労働組合は、MBO人事制度の導入当初の20014月に制度導入の可否をめぐり、神奈川県地方労働委員会に、あっせん申し立てを行いました。しかし、生協は、申し立てに応じることを否認し、労使間の合意なく、この新人事制度を強行導入しました。

  そして、あっせんによる解決が不調に終わったあとも、強行導入された新人事制度について、団体交渉が行われておりましたが、2001105日の団体交渉において、生協は、「MBO面接を受けないからと言って不利益等があるとは考えていない。不利益を与えようとかそういうのは考えていない」旨を表明しました。制度導入当初のこのような経緯を経て、その後も、私たちの労働組合の組合員はMBO面接を受けない、という生協との合意が続くこととなったのです。 

  MBO人事制度が導入された当初の組合員数は十数名ほどでしたが、このような面接不実施合意が継続している間、職員の間では制度に対する不満が次第に高まり、それに呼応して、MBO人事制度に反対している私たちの労働組合への加入者は少しずつ増えていくようになりました。そして、2012年には20名を超えました。

  また、MBO人事制度に賛成している他方の組合である評議会を脱退して、私たちの労働組合に加入して、面接を受けない者も現れ始めました。そのため、評議会は、この事態に動揺し、生協との団体交渉において、「従業員の1割に拒否されて人事制度が成り立つことができようか?」と、私たちの労働組合がMBO人事制度における面接を受けていないことを問題視しました。これについて、評議会は、機関紙の「評議会通信」において、生協と意見交換ができたと、報告しております。

  そして、評議会と生協は結託して、私たちの労働組合を攻撃するようになります。すなわち、MBO人事制度改定プロジェクトのメンバーに委員長以下4名が評議会より参加し、「一部の職員がMBO人事制度に参加していなく職場の士気低下にながっています」と私たちの労働組合のMBO人事制度反対の姿勢を職場内において、あからさまに非難するようになりました。

  また、生協は201211月の専務会議において、全国一般の組合員に対して個別面接を行うことを確認し、団体交渉において、この個別面接を受けないことは業務命令違反であると強迫し、12月に実施してきました。生協は、MBO面接ではない、という口実を使いながら、より高圧的、一方的な局面での面接を受けさせようとしたのです。そして、20133月には、MBO人事制度で使用しているシートを、組合員に対する面接にも使用すること、MBO人事制度の実施を受け入れるよう私たちの労働組合に通知してきました。

  このように、評議会と生協は結託して、真綿で首を締めるように、私たちの労働組合に対して攻撃や圧力を強めてきました。そして、20149月より、生協は最大4人の上司が1人の労組員を取り囲んで面接を行う、今まで全くされたことのない、差別的な「圧迫面接」を行うようになったのです。

  先に述べました「評議会通信」では、一部センターでのMBO面接が不適当であり、その結果、MBO人事制度そのものに嫌気がさし、同制度に賛成している評議会を脱退するという事態が発生したことが、報告されています。また、生協は、評議会との団体交渉では、一方的、高圧的な面接運用の事実関係を認めたことも報告されています。

  私たちに対して行う「圧迫面接」は、このような評議会と生協の経緯を悪用して、今度は逆に、私たちの労働組合の労組員を、多数の上司で取り囲むという、より一方的で、高圧的な状況に置いて、労組員を萎縮させ、また、このような差別的な面接を行うことにより、労組員を他の職員に対して「見せしめ」にするために行われたものです。

 組合執行部には、支部の組合員から、「これではMBOに反対する事に共感して、せっかく増えてきた組合員が、これから増えるどころか減っていってしまう」と、センターでの窮状が訴えられました。組合執行部は、生協に対し、再三に渡って、文書、団交において、抗議をしましたが、生協は、評議会のMBO面接に対する抗議とは裏腹に、私たちの組合に対しては、なぜ、複数面接を行う必要があるのかの具体的な説明すらしない不誠実な交渉態度をとり、「圧迫面接」を続けています。

 そして、このような、「圧迫面接」が、労働組合からの脱退を促し、団結を破壊しようと、評議会と生協が結託して画策したことであるということには、動かぬ証拠もあります。今回提出した甲第79号証です。

  すなわち、2016120日の専務会議において、評議会の職場討議で出された意見を共有するとして、「全国一般組合員やその他課題のある職員に実施している指導、育成面接(複数管理者による面接)は継続させてほしい」と、全国一般組合員を名指しにして、差別的面接を行うことが、共同で提案されています。

  評議会は他労組である私たちの労働組合への攻撃を生協に促し、それを受けて生協は「圧迫面接」を行うという結託関係にあることが、明白に表されているわけです。

  今回、県労委に不当労働行為の申し立てをしたことにより、生協は、私たちの組合をあからさまに差別することは不利に働くと考えたのか、本年9月より行われた複数上司による面接は、当組合の組合員以外の人たちにも実施しています。また、組合員でも面接が行われていない者もいるなど、全国一般労組員に対する差別ではない、というような体裁を取り繕おうとしています。

  しかし、配転における事前協議条項違反に見られるように、労働条件の低い方に合わせることにより、差別を解消するなどという主張は、悪質な開き直りであり、不当極まりないことである、と言わざるを得ません。

  県労委の委員の方々には、併存する他の労働組合と結託して、極めて差別的な対応を行っている生活クラブ生協の不当労働行為の一端が垣間見られる「圧迫面接」に対しても、その行いを止めさせるようにご助力下さるよう、お願い申し上げます。